がんの原因は遺伝子の変化

「がん」は、“生後に発生した遺伝子変化の蓄積”によって発症することが多数の研究により明らかになってきました。遺伝子とは体の設計図です。その設計図を元に日々細胞が作られ、体が成り立っています。遺伝子に変化が起き、それが修復されないまま蓄積すると、正常ではない細胞、つまり「がん」になってしまう場合があるのです。

がん遺伝子検査が身近なものに

がんの発症に強く関連する遺伝子はこれまでに数百種類見つかっています。それらの遺伝子に変化がないかどうかを調べるのが「がん遺伝子検査」です。以前はひとつひとつの遺伝子を調べるために膨大な時間がかかっていましたが、次世代シークエンサーという解析装置を使って一度に複数の遺伝子を調べることができる「がん遺伝子パネル検査」が登場し、がん遺伝子検査が数週間でできるようになりました。また、保険診療でできるがん遺伝子パネル検査も登場し、費用的にも身近なものになってきました。

なぜがん遺伝子パネル検査をするのか

がん遺伝子パネル検査をすることで、どの遺伝子に変化があるのかが分かれば、より効果の高い治療が期待できます。
遺伝子の変化は患者さんごとに異なります。同じ臓器のがん、例えば同じ胃がんでも、原因となる遺伝子が違えば、効果的な治療も変わってくるのです。さらに、短期間で効率的に検査できるので、早期の治療開始が期待できます。効率的・効果的な診断と治療を目指すために、がん遺伝子パネル検査が役立ちます。

  • 2019年6月に保険診療下でのがん遺伝子パネル検査がスタートしました。

  • 保険診療を受けられない、より詳しい検査をしたい、という方には自費診療でのがん遺伝子検査をお勧めします。